もともと、介護のため戻っていた実家との二拠点生活のために入居したシェアハウス。いくつかの物件を短期で渡り歩きながら気付けば5年が経過し、新型コロナ禍で実家と都市部を気軽に往復できなくなった昨年からは、大半の時間をシェアハウスで過ごすようになりました。
「40代でシェアハウスってのもどうよ」
「かといって、すぐ引き払う羽目になるかもしれないのに、冷蔵庫から洗濯機まで全部揃えるのはもったいないし・・・」
と住み始めたシェアハウスですが、その身軽さと自由さにはまりました。
4人に1人が40代以上という平均年齢高めのシェアハウス
私が今住んでいる「SR Academia横浜磯子」は、部屋数110部屋超の大型物件。
そしておそらくシェアハウスの中では、「平均年齢が非常に高い」物件のひとつだと思います。どのくらいかというと・・・
2021年10月19日時点で85名の入居者のうち、40代が16名(18.8%)50代が6名(7.1%)で、両方あわせると22名(25.9%)となり、なんと4人に1人が40代以上という割合なのです。
物件にもよりますが、これまでは100人規模の物件でも、40代以上は一桁しかおらずでした。そのくらいだとお互いに挨拶する機会もまずなく、若い人が中心の中に入り込むのもちょっとはばかられるため特に交流はせず、ひっそりと暮らしているという人が比較的多いのかなと思います。
私も一昨年横浜のシェアハウスに移ってくるまでそうでした。キッチンで一緒になれば挨拶はするし、自己紹介や軽い世間話程度はするけれど、それ以上、一緒に食事を作って食べたり、飲み会したりなんてことはありませんでした。
でもそれでも十分満足していたのです。
ところが今は違います。
世代的に近い人も多く、また新型コロナ禍で夜もシェアハウス内に滞在している人が多いこともあって、キッチンで一緒になれば作った料理をお互いにシェアしつつ、気付けば飲み会モードなんてことも多々。LINEグループで呼びかけ、鍋や焼き肉などもよくやりますし、車を持っている人に乗せてもらいコストコ買い出しなども。もちろん4~50代だけでということではなく、20代・30代の人も加わっての年齢幅広い交流です。
シェアハウスの年齢制限
こんな物件はちょっと珍しいと思います。
一般的なシェアハウスでは、20代後半から30代前半がボリュームゾーンで、30代後半でやや少数派となり、40代過ぎると肩身狭さを感じる人も増えてきます。
実際、シェアハウスでは年齢制限を設けているところが多いです。
物件にもよりますが、35歳・40歳などの上限を設けているところがあります。4~10数人程度の物件の場合、共同生活としての要素も強まってきますので、ある程度年齢が近い人同士のほうがスムーズにいく確率は高いでしょう。30代前後の人ばかりの一戸建てシェアハウスに、たった一人50歳近い人が混じれば、雰囲気も変わってしまいます。
年齢制限については、公式サイトで確認することができます。
大型物件を含む多数の物件を手掛けている会社だと・・・
オークハウス:18歳~
ソーシャルアパートメント:18歳~
Rシェア:50歳未満を条件としている物件が多い
ファインセレクト(女性専用が多い):物件によって一部年齢制限あり
ボーダレスハウス:18歳から35歳まで
などとなっています。
40代以上でも快適に過ごせる物件は?
40代以上の比較的年齢層高い人でも、それほど肩身狭い思いせずに暮らせるシェアハウスは、一体どんなところでしょうか。
- 人数多めで、40代以上の居住者もある程度存在
- 大学生少な目(近くに大学がない)
- 設備が整っていて賃料がやや高め
大型物件がいいか、それとも小規模がいいかは、その人の性格によりますし、シェアハウスでどう過ごしたいかにもよるので一概には言えませんが、年齢が気になる方でシェアハウス経験がないのであれば、まずは大型物件が無難です。
無理して居住者同士の交流をしなくても済みますし、気の合いそうな人や年齢近くて話しやすい人とだけ交流しているで何も問題ありません。
そして私がオークハウスを選んでいる理由のひとつでもありますが、公式サイト上で住民の性別・年齢・国籍比率が公開されていれば、同世代がどのくらいの割合いるのかも確認できます。もちろん問い合わせれば教えてくれるとは思いますが、いちいち「40代以上の人何人いますか?」と聞くのもあれなので、公式サイトで確認できるのはとても助かっています。
近くに大学があるシェアハウスは、自然と大学生の比率が高まります。同じ20代でも、社会人であればずっと年上の人と話をしたり交流したりするのも慣れているものですが、大学生にとって40代以上の大人なんて「親」と一緒。学生集団の中に入っていくのは、正直30代でもハードル高めなので、避けておいたほうがいいかなと思います。
最後に。
シェアハウスは一般の賃貸物件を借りるよりは安いところが多いですが、大型物件で共有施設が充実していたりこだわりの内装のところなどは、同じエリアの賃貸マンションを借りるのとさほど違わないところもあります。格安なところは学生や20代の若い人が多くなりますし、設備も整った大型物件で賃料があがってくると、30代~40代の比率は増えてきます。
40~50代でもシェアハウス生活、大丈夫?
ネット上では、シェアハウスに入居して悲惨な結末になっている40代という記事をよく見かけますが、自分自身も含め実際にそういう人を見たことはありません。
大きな理由としては、私が大型物件にしか住んでいないので、普通に暮らしていればそもそも人間関係で面倒なことにはならないことでしょう。
もうひとつは、特に出会いなどを期待したギラギラした中高年居住者には会っていないというのもあります。40代以上でシェアハウス生活をしている人の中には、結婚願望はないんだけど、気の合う人たちと楽しく暮らしたいと考えている人や、既婚者で単身赴任という人、あと離婚で家をでたのを機にシェアハウス暮らしという人など、背景は結構いろいろです。出会い目的でシェアハウスに入ると正直悲しい結末になりそうな気がしますが、そうでなければ普通に楽しいものです。
シェアハウス生活が長いベテランの人は、コミュニケーション能力も協調性も高めな人が多く、年齢関係なく他の人といい関係を築いており、そんな人たちからは学べることもたくさんあります。
40代以上の人が、自分より若い人が多いシェアハウスで良好な人間関係を構築するポイントはいろいろあると思いますが
- 当然だけど年上ぶらない/同時に無理な若作りもしない
- 年齢を意識しすぎた発言を繰り返さない
- 昔話ばかりしない/わからない会話に無理やり入っていかない
一言で言えば、自分が2~30代だった時に「この人、しつこいしうざいし面倒だな」と思われるような年上特有の言動をとらないようにすることかなと思います。
何かというと「君たちは若いから知らないだろうけど」を枕詞のように挟んでくる人がいますが、繰り返されればうざいだけ。逆に20代同士の会話に「ぼくなんかの世代だと全然わからないんだよね、そういうの」なんていちいち突っ込んでくるのも邪魔なだけです。知らないなら黙っておけと。そうでないなら「どういうこと?教えてくれる?」と素直に質問すればいいだけです。
相手が敬語で話しかけてくるなら敬語で返せばいいですし、ため語なら同じようにカジュアルに返せばいい。何にしても、自分の年齢や相手との年齢差を意識しすぎず、自分を過剰に盛ったりもせず、年上だからと気張ったりもせず、ひとりの人として等身大に付き合っていければ理想かなと思います。